こうして再構築された同校のネットワーク構成は右図のとおりで、新たに導入したパソコン50台を第一情報処理実習室に設置し、従来からのNetWareサーバ/クライアントは新設した第二情報処理実習室に移設した。このほか、赤外線LANは理科実験室、被服室、美術室、職員室、事務室などに敷設し、ノートパソコンをもち運んで利用できるようにした。
ネットワーク構成の特徴は、―般的なWebサーバ(*1)やメールサーバ、DNSサーバ(*2)以外に、さまざまなサーバを立ち上げたことだ。
このうちプロキシサーバ(*3)には校内LANとインターネットの境界機能のほか、ダウンロードしたデータを蓄積する役目もある。これにより、128kbit/sの回線容量ながら、50人の生徒が一斉にWebを利用しても快適さは損なわれないという。
検索DATAサーバはWeb上で電子メールのやりとりをできるようにするためのもの。一般のメールソフトでは利用者ごとにメールアドレスなどを設定しなければならないし、受信した電子メールをパソコンにダウンロードしてしまうため、同校のように生徒がパソコンを共用する環境では不都合が生じてしまう。このため同校では、一般のメールソフトは使用せず、Webブラウザ上で電子メールのやり取りができる方法を採用した。利用時にはブラウザ上でID、パスワードを入力することで利用者を特定する。IDは卒業後も使用できるので、年々ユーザ数は約500人ずつ増えていくことになるが、このID管理やユーザ検索を行うのが検索DATAサーバとなる。
リアルビデオサーバはWebページ上で動画を配信できるようにしたもので、平成11年春に同校が甲子園出場を果たした際には、生徒がノートパソコンとデジタルビデオカメラ、およびPHSを甲子園にもち込み、スタンドからの実況中継にチャレンジした。また、生徒用サーバ、先生用&共用サーバも立ち上げ、クラブ活動のホームページ掲示板を利用できるようにしたほか、CD-ROMサーバも設置して、百科事典などのCD-ROM60枚をLAN上から利用できるようにした。