成熟市場のボタン電話・PBXを扱う通信機ディーラーにとって、LANビジネスへの取り組みは事業拡大への重要なテーマである。
だが、小規模であるほど軌道に乗せられないのも事実。
そうした中、横井通信工業(横浜市青葉区、横井好明代表取締役)は社員10名でこの課題を乗り越えた。
同社はもともとPBXに加えホストコンピューターの設置も手がけていた。
この経験を生かしてLAN事業に着手したわけだが、事業拡大にあたり大きな役割を果たしてきたのがこれまでに獲得してきた顧客である。
横井通信工業は25年にわたる営業活動により、大企業から中小企業まで1000社以上の顧客を抱えている。
同社の戦略は、これらの既存ユーザーに対し、ボタン電話やPBXに不可欠な保守・メンテナンスの機会を捉えてLANを提案しようというもの。
この戦略が効を奏し、受注額はここ4、5年で通信機器の販売・保守を凌ぐほどまで増えている。
スキル面でも、ある高等学校に無線LANでシステムを構築した実績を誇るまでになっている。
今後は中小企業からのLANの受注を増やす計画である。
中小企業にはパソコンに対する根強いアレルギーがあるといわれるが、同社ではパソコンに加えワードやエクセルなどアプリケーションに関する講習会を自社で開催することで、ユーザーに密着した営業展開を計画している。
テレコミュニケーション(株式会社リックテレコム発行)7月号より